今回は歯並びと歯並びに影響を及ぼす要因について書いていきたいと思います。
前回のブログ記事でも書いたように、人の歯は6歳から12歳にかけて乳歯から永久歯へとかわっていきます。しかし、様々な要因によって、永久歯が本来並ぶべき正しい位置からずれて並んでしまうことがあります。
前歯がとびたしたり、逆に歯が内側に引っ込んだりとその種類は様々ですが、日本人の歯並びで最も多いのが、歯と歯が重なって生える「叢生(そうせい)」という歯並びです。
この叢生になると歯と歯の間をブラッシングすることが難しくなるので、虫歯や歯周病になるリスクが高まってしまいます。
また、歯並びはかみ合わせにも影響をします。奥歯のかみ合わせがしっかりしていないと食べ物をうまくかみ砕くことができなくなる他、前歯や中間の歯のかみ合わせが適切でないと奥歯に負担がかかりすぎてしまい、将来的に奥歯がダメになってしまうリスクを高めてしまいます。
では、歯並びに影響を与える要因には何があるでしょうか?
1つ目は、遺伝の影響です。顎の大きさや骨格、歯の大きさは遺伝することがありますので、ご両親や家族と似た歯並びになることが多いです。
2つ目は、虫歯の影響です。乳歯に虫歯ができ、穴があいたままの状態が続くと、そこに隣の歯が寄ってきてスペースを埋めてしまうことがあります。また、虫歯が重度に進行してしまうと、歯が割れてぬけてしまったり、歯の根の吸収が予定より早まってぬけてしまうことがあります。そうなるとまた、隣の歯や、かみ合っていた歯がそのスペースによってきてしまい、将来生えてくる永久歯が正しい位置に出てこられないことがあります。
3つ目は、普段の習慣や癖による影響です。
歯は唇やほっぺた、舌に囲まれています。これらの組織には筋肉があるので、歯はその筋肉が働く力の影響をうけます。唇や頬などは歯を「内側に押す力」、舌は歯を「外側に出す力」をかけます。これらの力がバランスよく保たれていれば、歯は正しい位置に並んでいきますが、このバランスが崩れると歯並びが悪くなります。
例えば、口呼吸をしている子はお口をぽかんと開けていることが多くなります。そうすると唇が歯を内側に押す力が弱くなるので、歯が外側に出たような歯並びになることがあります。また、指しゃぶりや頬杖(ほおづえ)、唇や爪を噛むといった癖も同様に歯に余分な力をかけ、歯並びを悪くする要因となってしまいます。
このように歯並びは複数の要因によって決定されるため、歯並びをなおすにはまずは何が原因で現在の歯並びになったか、今後どのような歯並びになるかを正しく見極めることが重要です。