当院の虫歯治療

「麻酔注射が痛い」と感じる患者さまも一定数いらっしゃるため、処置の際は配慮が必要です。そこで当院では、テクニックを駆使しながら痛みの少ない麻酔注射に努めています。

その代表的なものが、歯ぐきに塗るタイプの表面麻酔です。塗布してからすぐには注射をせず、歯ぐきにしっかりと浸透するまで2～3分ほど時間をおきます。このように最初に表面麻酔をかけることで、注射を打つときの痛みを減らせるのです。

さらに当院では、痛みをより軽減する工夫として「細い注射針」や麻酔液を一定の速度で注入できる「電動式注射器」を採用しています。麻酔液の温度も体温と同程度に温め、温度差による刺激や痛みを生じにくくします。

また、歯を削る痛みがほとんど発生しない小さな虫歯では、お体への負担を考え麻酔をせずにそのまま治療を進めます。

麻酔をかけるならしっかり工夫する、状況によっては麻酔をせずに治療する、といったように一層適切に対応し、ご安心いただける虫歯治療をめざします。

「歯髄」と呼ばれる歯の神経には、歯に栄養を運ぶ大切な役割があります。そのため神経のない歯は栄養不足になり、劣化したり細菌に対する防御力が低下したりと問題が起こります。神経があるかないかで歯の寿命も大きく変わってしまうのです。

加えて、神経をとった後の治療は大がかりなものとなり、治療に必要な時間や来院回数が増える傾向があります。時間だけでなく費用によるデメリットも大きいといえるでしょう。こうした負担をなるべく軽くするためにも歯を長持ちさせること、それ以前に歯の神経を残すことが大切です。

当院は、痛みがある歯の神経をすぐにとらない方針で診療を行っています。まずは患者さまのご希望を伺い、歯の状態をしっかり観察し、必要に応じて経過観察の時間を十分にとりながら可能な限り歯を長持ちさせるのがポリシーです。

治療の際は、健康な組織まで削らないよう拡大鏡を使用するほか、虫歯の部分だけを染め出せる検知液も使って丁寧にアプローチします。神経を極力残すためには、細部までこだわる意識が不可欠です。

ほかにも症例によって以下のような治療法を併用し、患者さまの歯の寿命の延伸を図っています。

MTAセメントには以下のような特徴があります。

保険診療の虫歯治療で扱われる詰め物・被せ物は、銀歯が一般的です。治療によってお口の中に入った銀歯は、その日からずっと唾液にさらされます。やがて金属イオンが溶け出し、唾液と一緒に体内へ取り込まれると、金属アレルギーを発症する原因となってしまいます。

今は症状がなくても、ある日突然発症するケースは珍しくありません。また、金属製の詰め物や被せ物は汚れが付着しやすく、歯との境目から再び虫歯になりやすいのも懸念点です。

保険診療は国が定めた決まりに則って実施されるため、「絶対に金属を使わない」といったお約束はできないのが実状です。ただ、こうした制約がありながらも、当院では可能な限りメタルフリーで、患者さまの健康に配慮した虫歯治療に取り組んでいます。

例えば小さな虫歯に対しては、白い歯と同じ色をした「コンポジットレジン」と呼ばれる樹脂で修復を行います。そのほか、強化プラスチックが含まれた素材で作られた白い詰め物・被せ物の治療も可能です（※）。

このように見た目と健康を考えた歯科治療を日々心がけています。

※保険適用の場合は対象となる歯が決まっています。