前回の記事で歯周病について書きましたが、今回はその治療についてお話ししたいと思います。
歯周病の原因は、歯に付着した細菌の塊である「プラーク」です。そのプラークを取り除かなければ、歯周病の進行を食い止めることはできません。そこで重要になってくるのが、患者さん自身が行う「セルフ・ケア(ブラッシング)」です。
しかし、どんなにブラッシングが上手な人でもセルフ・ケアだけではすべてのプラークを取り除くことはできません。そして、プラークは2,3日すると唾液の成分によって石灰化(せっかいか)し、「歯石」と呼ばれる歯ブラシでは取り除けない物質へと変化します。歯石の表面はざらざらしているため、次のプラークが付着しやすくなり、さらなる歯石形成を生み、悪循環が起こってしまいます。
この歯石を取り除くのが、歯科医院で行う「プロフェッショナル・ケア」です。スケーラーと呼ばれる専用の器具で歯石を除去していきます。
スケーラーには、機械を使う超音波スケーラーと、手動のハンドスケーラーがあり、超音波スケーラーで全体的に歯石を除去した後、ハンドスケーラーで歯と歯の間などの細かい部分の歯石を除去します。
歯周病が進行している場合、歯の根元深くまで歯石がついていることがあります。その場合、一度の処置ではすべての歯石を取り除くことができないため、一度歯石除去をした後、歯茎が引き締まってから再度歯石とりを行います。
ただ、より歯周病が進行していた場合、ここまでのやり方ではとりきれない歯石も存在します。その場合には「歯周外科」と呼ばれる治療法を選択します。
麻酔をしたうえで、歯ぐきを切開して、普段は見えない歯の根の部分を目で見える状態にして、歯石や炎症を起こした歯ぐきをきれいにしていく方法です。
もちろん歯周病の人全員がこの歯周外科まで必要なわけではありませんので、まずはご自身の状態を検査してみましょう。